税理士

税理士という資格②

 あなたは、あなたの顧問税理士がどうやって税理士資格を取得したか知っていますか?

 税理士という資格①で書いた通り、平成30年度末において全国に78,028人いる税理士ですが、いわゆる税理士試験という国家試験に5科目の合格をして晴れて税理士登録をしている人は、35,013人と全体の44.87%に過ぎません、

 では残りは何かというと、税理士試験を受験せずに、税理士資格を取得された方々です、例えば、弁護士662人(0.85%)、公認会計士9,880人(12.66%)このそれぞれの資格の保有者は、税理士登録の申請を行えば、税理士登録が行えます、

 後の残りの殆どは、皆さんもよくご存じの国税OBの方々と、大学院を修了することに伴う学位免除の方々で、併せて試験免除者といい、28,830人(36.95%)います、

 最後に、特別試験合格者という、過去(昭和61年まで)国税職員等の方だけが受けられる試験の合格者(合格率80~90%とのこと)が3,636人(4.66%)、まぁ、この特別試験というのが無くなって、代わりに今の国税OBの方が税理士資格を取得する制度が出来たのですが(脚注)

 有能な方に資格取得の背景が関係ないのは言うまでもないです、どんな資格の取り方をしようが、有能な方は有能です、また、個人的にも多彩なバックグランドのある税理士業界の方が良い思うので、試験以外の資格取得のルートに特段否定的ではありません、

 ただ、税理士を選ぶ方としては、その税理士の資格取得の背景を知っていて決して損はないと思います、例えば、一般に、所得税畑を歩かれた国税OBの方に会社の顧問税理士を任せたいと考える方はどれくらいいるでしょか?、また、税理士登録後間もない公認会計士の方に相続税や所得税の申告を任せたいと考える方はどれくらいいるでしょうか?

 ちなみに私の試験合格科目は、簿記論(必修)、財務諸表論(必修)、法人税法(所得税法との選択必修)、相続税法、酒税法!の5科目です(試験合格者)、もっとも、酒税法も担当顧客に日本酒の造り酒屋(酒蔵)があったので実務上の役に立ちましたけれど、

(脚注)とある方が詳しく調べられていて敬服なのですが、その前年(平成29年)における税理士試験の試験免除者は、大学院を修了した方が562名、国税・地方税のOB(勤続23年等+指定研修による会計学免除)の方が1000名、と開示請求による行政文書から推計されています、平成29年における新規の税理士登録者数は2,727人であることから、ざっと57%の方は、税理士試験(あるいは弁護士・公認会計士試験)に合格した方では無いことになります(上記の試験免除者1,562人全てが平成29年に税理士登録を行った訳ではないだろうことから、正確ではないものの)、

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