ものづくり補助金

【補助金】「ものづくり補助金」 申請に当たってのポイント22(後編)

もづくり補助金(一般型)の22のポイント

(前編)引き続き、第四次公募枠を受付中(締切11/26)の「ものづくり補助金」の申請書記載に当たってのポイントを解説してゆきます、

今回(後編)はポイント9から22まで、

ポイント9 「補助対象事業」の実施期間

交付決定日から10ヶ月以内(ただし、採択発表日から12ヶ月後の日まで)に、発注・納入・検収・支払等のすべての事業の手続きを完了する事業であることが必要です(延長はありません)、

「補助対象事業」を完了する為には、事業計画に沿ったスケジュール管理が重要にです。事業計画は、中小サービス事業者の生産性向上ガイドライン等を参考にして下さい、

ポイント10 「特別枠」の「補助対象経費」

「特別枠」では「補助対象経費」の1/6以上が、「A類型」~「C類型」のいずれかの要件に合致する投資であることが必要です、また、「B類型」又は「C類型」への投資が1/6以上である場合は、補助率を3/4へ引き上げがされます、

つまり、積極的に「特別枠」の「B類型」・「C類型」を狙ってください、


・各類型における「補助対象経費」

「A類型」:サプライチェーンの毀損への対応顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと、 
「B類型」:非対面型ビジネスモデルへの転換非対面・遠隔でサービスを提供するビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと、
「C類型」:テレワーク環境の整備従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること、

ポイント11 「事業計画」の策定

以下4点をすべて満たす計画期間が3~5年の「事業計画」を策定すること、

・「給与支給総額」を年率平均1.5%以上増加していること
・「事業場内最低賃金」を「地域別最低賃金」+30円以上の水準にすること、
・事業者全体の「付加価値額」を年率平均3%以上増加していること、
・申請時点において、申請要件を満たす「賃金引上げ計画」を従業員に表明すること、

申請する「補助金対象事業」が、上記数値を達成可能な「事業計画」であるかの十分な検討が必要です、達成が出来なかった場合、補助金の返還(ポイント12参照)が求められる可能性があります、

ポイント12 「事業計画」の策定に当たっての留意点

「事業計画」を策定・実行は、下記の事前同意が前提です、補助金等の返還等も有りうるので、実現可能な範囲での「事業計画」の策定が重要です、くれぐれも甘い見通しや虚偽の「事業計画」を策定しないように、

  • 申請時点で、申請要件を満たす「賃金引上げ計画」を従業員に表明することが必要です、交付後に表明していないことが発覚した場合は、補助金等の返還を求めます、
  • 財産処分や収益納付等も含め、補助金等の返還額の合計は補助金交付額を上限とします、
  • 「給与支給総額」の増加目標が未達の場合
    _①「事業計画」終了時点において、「給与支給総額」の年率平均1.5%以上増加目標が達成できていない場合は、導入した設備等の簿価又は時価のいずれか低い方の額のうち補助金額に対応する分(残存簿価等×補助金額/実際の購入金額)の返還を求めます、
    _②ただし「付加価値額」が目標通りに伸びなかった場合に「給与支給総額」の目標達成を求めることは困難なことから、「給与支給総額」の年率増加率平均が「「付加価値額」の年率増加率平均/2」を越えて いる場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は、上記の補助金一部返還を求めません、
    _③また、「給与支給総額」を用いることが適切ではないと解される特別な事情がある場合には、「給与支給総額」の増加率に代えて、一人当たり賃金の増加率を用いることを認めます、
  • 「事業場内最低賃金」の増加目標が未達の場合
    _①「事業計画」期間中の毎年3月時点において「事業場内最低賃金」の増加目標が達成できていない場合、補助金額を「事業計画」年数で除した額の返還を求めます、
    _②ただし、「付加価値額」増加率が年率平均1.5%に達しない場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は、上記の補助金一部返還を求めません、

ポイント13 申請時期

今回の第4次公募のスケジュールは以下の通り、

・公募開始:令和2年8月4日(火)17時~
・申請受付:令和2年9月1日(火)17時~
・応募締切:令和2年11月26日(木)~17時(4次締切)

傾向として最終日は応募が殺到します、また、最終日の採択率はあまりよくないとの情報もありますので、間際ではなく少し早めに提出することをお勧めします(審査する側もヒトです、感情もあります、)

ポイント14 申請方法

「ものづくり補助金」は、電子申請システムのみの受付です、申請に当たっては「gBizIDプライムアカウント」の申請・取得が必要です、

プライムアカウント(プライムではないアカウントもある)の場合、印鑑証明書の提出(郵送)が必要なため、電子申請のみでは完了しません、取得までだいたい2週間程度はかかります、

弊社(自社の取得の際)で実際あったように不備が(既に別に申請書を作成済みだった)あった場合、更に時間が掛かります、余裕を持って「gBizIDプライムアカウント」申請・取得に臨んでください、

ポイント15「事業計画」ページ数 

「ものづくり補助金」に記載する「事業計画」は次の内容です

・「その1:補助事業の具体的取組内容」
・「その2::将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」
・「その3:会社全体の事業計画」

上記を全て書き“10ページ以内”に収めることが必要です、“以内”となっていますが、事実上は10ページ指定と理解してください(弊社はそのような理解です)、更に、図表や写真等を用いることも、マストとの理解でいます、

ポイント16 「その1:補助事業の具体的取組内容」_①

「補助対象事業」の取組が、国が作成した指針(「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」又は中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン)のどの項目にあたるかを探し出し、それに基づいて記載していくことが必要です、

ポイント17 「その1:補助事業の具体的取組内容」_②

記入の流れとしては、次のように記載すると自然に書けてお奨めです、

  • 取組事業の目的
  • 取組事業の申請経緯
  • 取組事業のスケジュール
  • 取組事業の申請内容
  • 取組事業で購入する機械等が取組事業において必要不可欠であること
  • 課題(問題)とその克服を、解決に至る各フェーズ毎に取組事業で購入する機械等の役割を具体的に記載

ポイント18 「その1:補助事業の具体的取組内容」_③

最後に、取組事業を行うことによって、どのように他者と差別化し競争力強化が実現するかについて、その方法や仕組み、実施体制など、具体的に説明します、

マーケティングの基本にあるよう、差別化する方法は「何を」「誰に」「どのように」の3箇所全てのところにあります、「何を」(商品、製品)にこだわり過ぎないように注意してください、

ポイント19 

「その2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」

「その3:会社全体の事業計画」

採択されるためにと過大な将来展望にならないように注意です、ポイント12で挙げた通り、採択されてもその後、事後報告によって返還が必要となる事態も有り得ます、

ポイント20 成長性加点

採択の為には取れる加点は全て取る必要があります(審査は僅差の争いです)

「経営革新計画」承認を受けていること、申請自体は結構大変(小手先では出来ない)、逆を言えば承認を受ければ審査上有利、

ポイント21 政策加点・災害等加点


・政策加点は、小規模事業者もしくは創業間もない事業者であること(該当で自動加点)、
・災害等加点は、特別枠では「事業継続力強化計画」の認定を受けることで得られます(「事業継続力強化計画」の認定は、あまり難しくなく2週間くらいあれば、)

ポイント22 賃上げ加点

①「事業計画」の期間内において「給与支給総額」を年率平均2%以上増加させ、かつ「事業場内最低賃金」を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している事業者には加点措置が行われます、


②「事業計画」の期間内において「給与支給総額」を年率平均3%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している事業者は、更に加点されます、

あとがき

前回の第3次「ものづくり補助金」の申請者数は第2次から大幅に増えました、採択率も高止まりしていますが、ある意味、コロナ禍という緊急事態につき、国も大盤振る舞いしているのだと理解しています、

第4次も引き続き申請者は多いと想像しますが、第2次、3次のような異次元採択が続くのかはわかりません、審査側に左右されずに採択されるためには、しっかりと申請書を書くことが肝要です、

認定経営革新等支援機関である当社は、申請をされる事業者様と一緒に課題を解決を取り組んでいきたいと考えています、ご助力出来ることがありましたら、是非メールでお声がけください、

お付き合い有難うございます、

認定経営革新等支援機関が教える やってる会社はやってる、補助金を貰うために先ずすべきたった1つのこと