中小企業庁の経営サポート「生産性向上特別措置法による支援」から、先端設備等導入計画にQ&Aを転載します、
先端設備等導入計画に関する認定を自治体より受けると主に次のメリットがあります、特に申請によるデメリットは無いので設備投資に前向きな事業者は積極的に受けられると良いと思います、
- 固定資産税の軽減措置
- 資金繰支援
- 一部補助金における優先採択
Q&A(PDF形式:209KB)PDF(令和2年年6月1日更新)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/seisansei/2020/200601seisanseiPRfaq.pdf
1 認定の対象となる中小企業の範囲は何か
中小企業等経営強化法第2条第1項に規定する中小企業者であり、下記のとおりです(※医療法人、社会福祉法人、特定非営利活動法人は本法の対象外です。)
資本金又は出資の総額 | 常時使用する従業員の数 | |
製造業その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5千万円以下 | 100人以下 |
2 複数の事業を行っている事業者の場合、中小企業の範囲をどう判定するのか
異なる業種に属する複数の事業を持つ場合は「主たる事業」に該当する業種で判断します。
「主たる事業」につきましては、売上高・付加価値額・従業員数などの経営指標の割合が最も多くの割合を占める事業を指します
3 先端設備等導入計画の認定対象となる設備と、固定資産税の特例の対象となる設備は同じか
中小企業の生産性の向上を短期間に実現するという生産性向上特別措置法の趣旨に鑑み、先端設備等導入計画の認定対象となる設備は、経済産業省令で生産性向上に資する設備として定められたものが対象となります。
他方で、固定資産税の特例の対象は別途地方税法で規定しており、その対象は必ずしも一致しないこととなります。
なお、自治体が作成する導入促進基本計画において、認定対象の設備をさらに細かく規定している場合がありますので、よくご確認ください
4 認定を受ける場合には必ず設備投資をしていることが必要か
「先端設備等導入計画」については、あくまでも設備投資を通じて生産性を高めることを目的とした制度ですので、「導入促進基本計画」に基づく設備投資を行う予定があり、それを通じて生産性を高める計画であることが求められます
5 導入する設備について、どの種類の減価償却資産(機械装置、器具備品等)に該当するか
個々の設備について、機械装置や器具備品等、どの資産として計上するかは、事業者の判断となります。社内の経理担当及び税理士にご確認いただき、個別ケースにおいて判断に迷われる場合は、所在の市町村(東京都特別区の場合は東京都)までご確認ください
6 手続きの基本的な流れを教えてほしい
認定経営革新等支援機関に事前相談後、市区町村に先端設備等導入計画の認定申請を行い、認定を受けた後に対象設備を取得するという流れとなります。各種の手続きには一定の時間を要しますので、設備投資の検討に際してはご留意いただき、早めにお問い合わせください
7 先端設備等導入計画の目標を達成できなかった場合、何か罰則等はあるのか
罰則等はありません
8 例えば、本社が所在する自治体とは異なる自治体に所在する工場に設備を導入する場合、事業者はどちらの自治体に先端設備等導入計画の申請を行う必要があるのか
実際に設備投資を行う自治体に先端設備等導入計画の申請を行い、認定を受ける必要があります
9 先端設備等導入計画の策定の単位は会社単位なのか、設備投資計画単位なのか
計画の策定の単位は、会社単位が原則となります。他方で、労働生産性が設備投資計画単位で現状値と目標値の算出が可能な場合には投資計画単位でも構いません
10 創業間もない企業は認定を受けられるのか
認定を受けるためには労働生産性の現状値と目標値が把握できる必要があるため、創業間もない企業については認定は受けられません。他方で、1事業年度の実績がない場合でも、労働生産性を構成する数値が把握でき、現状値を算出できる場合は、認定を受けることができます
11 労働生産性とはどの様に計算するのか
計算式は下記のとおりです。
【計算式】
労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷ 労働投入量(労働者数又は労働者数×1人当たりの年間就業時間)
12 労働生産性が年平均3%以上向上する設備投資は、何年で達成しなければならないのか。また、未達成の場合はどうなるのか
事業者が作成する先端設備等導入計画の期間は導入促進指針において3年間、4年間、5年間のいずれかを基本としており、計画期間終了時に年平均3%以上向上することを求めているものになります。また、未達成の場合、そのことを持って即座に計画の取り消しなどは行われませんが、達成できなかった理由などについてしっかりと検討していただくことを想定しております
13 労働生産性については、分子に営業利益とあるが、設備投資の結果、営業外利益などの営業利益以外が向上する場合は労働生産性の向上に加味されるのか
加味されません。定款などで記載された本業が生み出す営業利益を指します
14 事前確認を受けることとなる「認定経営革新等支援機関等」とは何か
中小企業支援を行う支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、中小企業庁が認定を行った支援機関のことであり、商工会議所や商工会、金融機関や税理士や会計士等の専門家が該当します。実際に登録されている機関を調べたい場合は中小企業庁のホームページをご覧ください
15 生産、販売活動等の用に直接供されるものと単純な更新投資との違いをどう判断するのか
計画作成にあたっては、認定経営革新等支援機関等に、直接、当該事業の用に供されるものであり、労働生産性が年平均3%以上向上するかの確認を受け、支援機関が発行する確認書を添えて市町村に認定申請していただきます
16 設備を認定より前に取得してしまった場合は「先端設備等導入計画」の認定を受けることはできないのか
先端設備等は、計画認定後に取得することが「必須」です。そのため、設備を既に取得した後に「先端設備等導入計画」の認定を受けることはできません
17 どのような場合、変更認定を受ける必要があるのか
認定を受けた既存の「先端設備等導入計画」の記載内容について、変更が伴う場合は変更認定を受けることが必要となります。他方で、変更内容が計画の軽微な変更の場合はその限りではありません
18 変更認定を受ける際には、再度認定経営革新等支援機関等の確認は必要なのか
認定の基準となる労働生産性に影響を及ぼすような場合については、再度事前確認を得て頂く必要があります
設備投資を行った後で「あぁ先端設備等導入計画の届出をしておけば良かったぁー」とならないように、「後悔先に立たず」です、
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